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| 校長先生の言葉 |
高輝度光科学研究センター
放射光研究所 加速器部門
熊谷教孝
科学技術創造立国としての我が国の将来を担う若者の科学離れが、昨今いろいろなところでささやかれている。私自身も大学での特別講義や講演で、学生の科学に対する無反応さには危機感を抱いていた。しかし、その反面地元中学生のSPring-8の見学や兵庫青少年のための科学の祭典(豊岡)で接した中学高校生に対しては、逆に科学に対して強い関心を持っているかのように思える。このギャップが何処でどのように生じ、どのようにしたらいいものか? どこかで高校生と接する機会が無いものかと考えていたこともあり2003年サイエンス・サマーキャンプの校長を引き受けることになった。
サマーキャンプは8月5,6,7日の3日間SPring-8サイトで行われた。1日目はSPring-8施設の説明と見学、夜は参加高校生、実習担当の研究者との懇親会と自由討論、2日目はテーマ毎に分かれて実験、そしてデータの解析とまとめ、最終日はグループ毎にまとめの発表と各自の感想発表であった。今年は「光」をキーワードとして4つの実験テーマを選び、少しでも自分に興味あるテーマに取り組んで貰うために、事前に講師が資料を作成し参加者に配付することとした。当初の心配をよそに、講師の方々の協力で、すばらしい実習資料が期間内に準備できたと自負している。また、テーマ毎の実習も、講師の方たちの今までの経験を取り混ぜて分かりやすく説明していたように思う。個人的には、兵庫県立先端科学技術支援センターの所長である千川さんのCaとガンの話は大変おもしろかった(来年度の参考にしたい)。
キャンプを通して、参加した高校生がいろいろな夢を持ち、そのどれを選択するかで悩み、その夢をどのようして実現するかで悩む一方、いろいろなことに関心を示す多感な10代の若者で、決して科学や社会に無関心ではない印象を持った。とくに、参加の目的が、SPring-8でのサイエンスの体験の他に、他校生や研究者との交流という、人と人との出会いをあげる生徒が多くいたことは深く印象に残った。現代のような多様な社会の中で生きる悩み多き多感な高校生に対して、高校という場だけでこれらに対応することは難しく、世界最先端の施設を持つSPring-8も社会の一員としてその責任を担うことが必要であろう。
来年度は、これらのことを踏まえ、実習テーマを物理以外の化学、生物、地学等に広げることでいろいろな夢を持った高校生を集め、それによって科学技術の体験のみならず社会をも体感できる出会いの場をも、高校の先生、(財)ひょうご科学技術協会およびSPring-8のスタッフの協力で作り上げていければ、きっと未来はもっと明るいものになるように思える。 |
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| 理科系志望の高校生を対象に、夏休みを利用して、世界最大規模、最高性能の大型放射光施設「SPring-8」内で2泊3日のキャンプを行い、体験実習や研究者との交流を通して、放射光を中心とする科学技術分野への理解を深めることを目的に、「高校生のためのサイエンス・サマーキャンプ」を開催しました。 |

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| 日 時 |
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平成15年8月5日(火)〜7日(木) [2泊3日] |
| 場 所 |
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大型放射光施設(SPring-8)、ニュースバル、県立先端科学技術支援センター |
| 参加者 |
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兵庫県下の高校生 22名 |
| 1日目 |
・開校式・オリエンテーション
・SPring-8施設見学
・講演会 |
| 2日目 |
・研究者との体験実習T
・研究者との体験実習U
・ニュースバル見学
・研究者との交流会、まとめ作成
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| 3日目 |
・まとめ、感想発表
・閉校式 |
| ●SPring−8施設見学 |
【感想・意見】
・放射光を出すにしても、研究者の色々な工夫があるからできたものだということが分かりました。
・日頃見ることのない機械に圧倒されつつもこれが世界に誇るSPring-8なんだと思い真剣に見れました。
・一般公開ではわからなかったり見られなかったりしたところがわかったので嬉しかった。
・何度か説明してもらって理解できたとこもあるし、自分の知らないことがたくさんあるとわかっただけでもよかったです。
・SPring-8はとても大きく長かったため、足が疲れました。
・まず大きさに圧倒されて誤差10マイクロメータで機器が据え付けてあることに驚きました。
・難しくて分からないことばかりだったけれど科学と密接に近づけるよい機会となり大変感激した。
・シンクロトロンや線形加速器など理解できないことが多かったが見たことのないような大きな機械などがあってとても面白かったです。
・今回初めて施設見学をしてみて一番強く思ったことは、とてもすごい設備が整っているということです。規模の大きさに圧倒されました。 |
<<体験実習>>
1.光の速度を測る
| 【実習担当】 |
(財)高輝度光科学研究センター 研究員 川島祥孝 |
| 【内 容】 |
SPring-8 で光の速度を実際測定することができる装置を用意し、装置について理解をした後、実験室で計測可能かどうかを体験する。 |
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【感想・意見】
・光の速度とは何かというところから始まり、結局測り方は今まで使っていた平均の速さの公式を使ったので驚いた。
・研究者の人にそのテーマからはずれた疑問を投げかけてもしっかりと分かりやすく説明してもらえてとてもいい体験になった。
・光の速さは約30万q/秒だということを実験を通して改めて実感しました。
・計算がややこしかったけどそれが答えに近かったのでとてもうれしかった。
・どうやって測るのかと思っていたら細かい測定のできるオシロスコープがでてきてその細かさに驚きました。
・平均したら結構近い値が出てすっごく嬉しかったです。屈折率はまたの機会にしたいと思います。
・オシロスコープは初めてだったけどグラフを読みとって教えてもらいながら計算したりとてもいい経験でした。
・計算があったときのうれしかが心に残っています。 |
2.FTIR装置による実験とその説明
| 【実習担当】 |
(財)高輝度光科学研究センター 池本夕佳/森脇太郎 |
| 【内 容】 |
赤外線およびFTIR分光器に関する説明を行った後、実際に、様々なフィルム試料のスペクトル測定を体験する。 |
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【感想・意見】
・とても難しい内容でしたがとても興味を持ちました。
・先生がたくさん質問に答えて下さり、とても質問がしやすかったのでかなりよく理解できた。
・FTIR装置を使うことができたのでとても嬉しかったです。研究者の方もわかりやすく説明していただいたのでよく分かりました。
・SPring-8の中でSPring-8の装置を使って行ったのが良かった。
・以前フーリエ変換についての本を読みかけたことがありましが、そのときの僕自身の知識では理解できませんでした。今回、そのフーリエ変換についてとっても分かりやすく説明してもらい、とても充実しました。 |
3.CD分光器で虹を見よう
| 【実習担当】 |
(財)高輝度光科学研究センター 研究員 竹内晃久/今井康彦 |
| 【内 容】 |
回折格子による分光についての説明を行い、コンパクトディスク(CD)を 回折格子として使った分光器を作製し、様々な光源のスペクトルを観察する。 |
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【感想・意見】
・光が曲がったり回り込んだりするには屈折や回折が必要であることが分かりました。
・習っていないことばっかりだったので正直大変だった。パソコンで分かりやすく図を作ってくれていたのですごく助かりました。
・自分で分光器を作ったり、回折を見たり自分の目で確かめながら勉強できるところがよかったし納得しやすかったです。
・身近なことなので面白く新しいことが発見できてよかった。
・実際に自分の手でCD分光器を作って色々な虹を見れたし、虹について詳しく知ることができてよかったです。
・工作を久しぶりにしたのでおもしろかった。
・光の波についてとても分かりやすかったです。 |
4.EPMA実習 −電子線と放射光と比較して−
| 【実習担当】 |
(財)ひょうご科学技術協会 千川 純一/網田佳代子 |
| 【内 容】 |
EPMA(電子線プローブマイクロアナライザー)についての説明を行い、 EPMAを使用して花粉や毛髪など身近なものを試料として観察、分析を
行う。 |
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【感想・意見】
・普段見える小さなものを2500倍くらいまで大きくして、それを実際に写真で撮って見ることができてよかったです。
・難しかったけど、実験内容自体はおもしろかった。
・EPMAで髪の毛を見たり、普通では体験できないことが出来てよかった。
・分子レベルで見たのは初めてだったけれど、いつも見る写真と同じだったのでちょっと物足りなかった。
・もっと詳しく追求してやりたかった。
・ビデオや図が多くて分かりやすかった。
・自分で写すものを作ることができたのはうれしかったですが、時間の関係で自分で写すことが出来なかったのは残念でした。
・講師の方が細かく教えて下さったので嬉しかった。 |
| 参加者感想 |
・キャンプに行ったことで、すごく科学に興味がわいてきました。
・自分の疑問が解決できるという事はすごく気持ちのいいものだと思いました。将来は色んな研究をして疑問を解決していく仕事につきたいと思いました。
・一人の研究者の人が私に色んな話をして下さいました。例えば、物事の原理とかどうして研究者になったかとか今の研究についてなどの話です。その研究者の人は、話をしている時すごく楽しそうで、目が輝いていました。私は、その姿を見た時に自分の仕事をこんな風に話せることをすごくうらやましく思いました。将来、何か研究にたずさわる仕事をしたいと思うようになりました。
・キャンプに行く前の研究者というイメージは、堅そうな人達という感じがあって、交流できるかどうかとても不安でしたが、実際に会ってみると、とても優しく親切で話しやすい感じの方達ばかりで、何でも、分かりやすく教えてもらいました。
・謎解決のため先生に話しかけると、違う学校の人たちもが集まって楽しい会話となりました。今回のキャンプによって、将来の夢の内の一つである科学者、研究者の見識を実際見て会うことで深められたと思います。
・一番印象的だったのは、ここで研究を行っている研究者の方達との出会いだった。科学に打ち込む研究者の方達の姿がとても新鮮に思えた。私もこんな風に何か夢中になれるものを見付けたい、何か1つの道を極めてみたいと思うようになった。また、質問にも1つ1つ丁寧に答えて下さり、夜まで感想やまとめを作るのを手伝ってくださったりした。私達学生に向かって、簡単な事ばかりせず、難しい話もどんどんして下さった。理解するのにすごく苦労したけど、とても有難い貴重な体験だった。この体験を出発点として、もっともっと自分の世界を広げていきたいと思う。
・学校外の友達、それも理系志望の友達ができた事が私にとってかなり大きな事でした。自分が疑問に思った事を相手に伝えると、一緒に考えてくれる…。たったそれだけの事ですが、今回できた友達が真剣に聞いてくれ、自分の考えを話してくれたのがとても嬉しかったです。
・初めてのことばかりで驚きの連続でした。参加して一番よかったなぁと思ったのは説明をききながら実際に機械を操作させてもらったり体験しながら学べたところです。自分が知らない事の多さを改めて知って、わからない事を素直に学びたいと思えるようになりました。研究者の人たちに教わるなかで理解しきれないこともあったけれど積極的にわかろうとしたことに意味があったように思いました。
・いろんな世界で働いている人たちに触れて、いろんな視点で物事を考えたり広い視野と自由な発想をもつ大切さと楽しさを教えてもらったと思います。少しずつわかることがふえていくうれしさなど形のない私の財産がまた一つふえたと思います。
・いろいろな経験はいつもどこでも一番強い自分の味方をしてくれるものだと思いました。これからも向学心を忘れずにいろんなことに自由に興味をもって将来にいかせるようにがんばりたいと思います。
・学んだことをまとめて発表しましたが、力不足な点や勘違いしている点がいくつかあり、人前で発表することの難しさやそのための準備の大変さがよく分かりました。この3日間で、研究者の方々のお話はとても私にとって大きなことだったと思います。これをきっかけに自分の将来を見つめ、こつこつがんばっていきたいと思いました。とても貴重な体験ができ、本当にこの研修に参加してよかったと思います。
・科学者・研究者の人達の話を聞いて、出会いが大切だということ気づきました。今回のこのサマーキャンプを振り返ってみると、出会い出会いの連続ではなかったのではないかと今になってやっと実感が湧いてきています。このサイエンスサマーキャンプを通じて僕は貴重な体験、出会い、感動を得る事が出来、有意義な時を過ごせたと思います。 |
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